年末年始の片付け…というわけでもないが、普段使っていないノートPCがあることに気づいた。端末名は多分Spectre x360 13-ae071TU Special Edition ベーシックモデル
で発売当時はそこそこの高スペックだった気がする。見た目がかっこいいので20万くらいで買ったが、キーボードの配列が打ちにくく後悔したのを覚えている(現在の中古価格は約7万)。
そんな本機も暫く使われていなかったとはいえタッチパッドの動作が不安定で、動きもモッサリ。しかもすぐ火を吹くような熱さになる。何かの用途で使いたい気持ちはあるが、これではあまりに使い勝手が悪い。Windows11が入っているのでサポート期限的には現役だが、メモリ不足もありそうなのでOSごと吹き飛ばすことにした。
本題
というわけで選ばれたElementary OS 8
だが、これはUbuntu 24.04LTSをベースとしたMacライクなOSである。本当は安直にUbuntuを入れようかと思っていたが、せっかくなので使った経験のないOSを導入してみることにした。RHEL系はCentOSの件があって以来、決定版的なOSを見つけられていないので却下。
本稿はWindowsをディスクから削除してElementary OS 8を導入&セットアップした手順を残す。
事前準備
- Elementary OS 8のISOイメージをダウンロードし、Rufasで不要なUSBメモリからインストールメディアを作成しておく
- USBメモリを挿れた状態でBIOSを起動しディスクを上書きする(Windows削除)
各種設定
初期セットアップ
# いつもの
sudo apt update
sudo apt upgrade
# 端末名の変更
sudo hostnamectl set-hostname [XXX]
# 時刻の設定
timedatectl list-timezones | grep To
timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
# firewallの有効化
# デフォルト無効のため即座に有効化すること
sudo ufw status verbose # 非アクティブ
sudo ufw enable
sudo ufw status verbose # アクティブ
日本語入力を有効化
- 初期設定時に日本語を選択すると
ibus-mozc
が自動インストールされるが、そのままでは日本語入力できないため少々追加で設定が必要 - キーボードの
レイアウト
は日本語(デフォルト)
を選択
インプットメソッド
が空だと日本語入力できないため日本語(Mozc)
を追加する- バー右上にある
ja
を押下し日本語(Mozc)
にチェックが入っていれば日本語入力できるはず
Google Chromeのインストール
- デフォルトのブラウザからChromeを落として以下を実行
- Elementary OS 8ではデフォルトで
AppCenter
が有効になっておりここから通常アプリをインストールするが、Chromeのダウンロードは失敗したためapt install
する
# ダウンロード済みの.debファイルを指定してインストール
sudo apt install /home/xxx/ダウンロード/google-chrome-stable_current_amd64.deb
- ちなみにChromeだと高速だがデフォルトの謎のブラウザアプリでWEBページを開くと激重だった
- 使い物にならないのでおとなしくChromeを入れるべき
VSCodeのインストール
# MicrosoftのGPGキーをダウンロードし、microsoft.gpgとして保存
curl https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | gpg --dearmor > microsoft.gpg
# GPGキーをAPTが利用する信頼済み鍵ディレクトリに配置
# -o root / -g root / -m 644 でオーナー&グループをroot、パーミッション644に設定
sudo install -o root -g root -m 644 microsoft.gpg /etc/apt/trusted.gpg.d/
# VSCode用のリポジトリ情報をaptのソースリストに追加
# [arch=amd64] は64bitアーキテクチャ向けのパッケージを対象とする設定
sudo sh -c 'echo "deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/repos/vscode stable main" > /etc/apt/sources.list.d/vscode.list'
# HTTPS経由のパッケージ取得に必要なパッケージをインストール
sudo apt install apt-transport-https
# パッケージリストを更新
sudo apt update
# VSCode本体をインストール
sudo apt install code
# VSCodeの起動
code
Gitのインストール
# Gitのインストール
sudo apt install git
# GitHub CLI (gh)のインストール
sudo apt install gh -y
# GitHubにログイン (トークンの入力やブラウザを使った認証を行う)
gh auth login
# Git設定: コミット時に使う名前とメールアドレス
git config --global user.name "hoge"
git config --global user.email "hoge@hoge"
Dockerのインストール
# Docker関連のリポジトリを追加するために必要なパッケージをインストール
sudo apt install ca-certificates curl gnupg
# Dockerの公式GPGキーをダウンロードしてaptが参照できる位置に配置
sudo curl -fsSL https://download.docker.com/linux/ubuntu/gpg -o /etc/apt/keyrings/docker.asc
sudo chmod a+r /etc/apt/keyrings/docker.asc
# リポジトリを追加
# 通常は lsb_release -cs(Ubuntuのコード名)を使うが、Elementary OSでは値が合わない
# ここではUbuntu24.04 LTSのコード名である "noble" を直接指定
echo "deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/etc/apt/keyrings/docker.asc] https://download.docker.com/linux/ubuntu noble stable" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/docker.list > /dev/null
# パッケージリストを更新し、Docker関連パッケージをインストール
sudo apt update
sudo apt install docker-ce docker-ce-cli containerd.io docker-buildx-plugin docker-compose-plugin
# dockerグループに現在のユーザを追加
# これにより sudo を付けなくても docker コマンドを利用可能に
# ※ 反映には再ログインが必要
sudo usermod -aG docker $USER
OSを入れ替えてみた感想
現状とても良い。AppCenterが謎に使えなかったり不便な箇所も所々あるが、aptで解決すれば良いので「ITエンジニアであれば」それほど不満なく使えそうな気配がある(Elementary OSの目指すところではなさそうだが)。あえて言うならufwだけデフォルトで有効にしてくれないかな。
何よりもメモリが軽くなったのか、一切バッテリーが熱を持たなくなり電池の減りも物凄い減った。Windowsって存在自体が重いんだなと改めて思った。
ついでにGithub pagesに本稿を投稿できるよう、jekyll環境もdocker化した。dockerhubにjekyll用のイメージも上がってたが、どうやら個人管理かつ全くメンテナンスされてなさそうだったので、RubyのOfficial(alpine)から適当にdockerfileを作った。これはまた別の機会に書くことにする。